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 シャルトリューはすぐに飼い主一家を慕うようになり、よく飼い主のあとを追いかけて部屋から部屋へとついてきます。こうした犬のような行動で知られるこの猫は、ボールを取ってくるよう教え込むことができ、自分の名前が呼ばれるとほとんどの場合それに反応を示すことでしょう。伝統的に、生まれた子猫にはすべて、誕生年ごとに決められたアルファベットの一字で始まる名前が付けられます。ただしブリーダーが使うのは、K、Q、W、X、Y、Zの五文字を除く二十文字だけです。

 シャルトリューはおとなしい描種で、興味を持ったものにたいしてにゃーにゃー鳴くというよりさえずるように小声で鳴きます。この猫は聡明で、テレビに夢中になり、電話の会話に加わろうとして電話線を噛んだりします。

 シャルトリューの子猫は早熟です。生後三年で身体的な成熟を迎えます。子猫から成猫になるときに毛並みがもじゃもじゃで不揃いの時期があり、この時期のシャルトリューは人間でいえばからだばかり大きくてぎこちない思春期の若者といったところです。それがある時、ほとんど一夜にして見事な毛並みへと様変わりします。環境と愛情こそ、この品種が成猫となってからの行儀や行動にとってもっとも重要な要素です。コートの内側には柔らかく密生した短毛が、外側にはそれを保護する長い剛毛が生えていますが、このダブルコートをブラッシングするのは禁物です。毎日のように手櫛をかけてやるだけで十分であり、そうすればその猫の社会的振る舞いにもプラスになります。シャルトリュー種はブリーダーによって熱心に保護されていますし、このかわいらしい猫にたいする需要は供給を上まわっているため、子猫はほとんど予約でしか入手できません。第二次世界大戦の時期、何人かのフランス人ブリーダーたちが、ペルシャとブリティッシュ・ショートヘアをかけ合わせることで、シャルトリューを絶滅の危機から救おうとしました。しかしそのいっぽうで、アメリカ合衆国へと連れてこられた純粋なシャルトリュー種の猫たちはフランスの田舎の出身でした。そして、現存する純血なシャルトリュー種の自然状態を作りあげ保ち続けようとする試みは、こうした猫だけを繁殖計画に用いてなされました。このすぐれた血筋の品種がアメリカへともたらされたのは、JohnとHelenのGamon夫妻が美しいシャルトリューを発見し手に入れようと尽力したおかげでした。今日、アメリカ育ちのたくさんのシャルトリューがフランス人ブリーダーのもとに逆流入しており、そのためアメリカでの入手はますます困難なことになっています。

 シャルトリューの価値はふつう、顔だちや体つきなどのタイプ、毛の模様、そして血統によって決まります。血統におけるタイトルの種類には、グランドチャンピオン(GC)、ナショナルウィナー(NW)、ナショナルブリードウィナー(BW)、そしてリジョナルウィナー(RW)の各血統、またはディスティングイッシュド・メリット(DM)の血統があります。DMの称号は、雌猫(母猫)の場合はCFAのグランドチャンピオンかグランドプレミアもしくはDMの子孫を五匹輩出したとき(プレミアとは去勢・避妊猫に与えられるチャンピオン相当のタイトル)、雄猫(父猫)の場合はCFAのグランドチャンピオンかグランドプレミアもしくはDMの子孫を十五匹輩出したときに与えられます。通常ブリーダーは生後十二週から十六週のあいだで子猫を手放します。子猫は十二週のうちには、必要な予防接種を済ませ、新しい環境や人前での披露や飛行機での輸送に対処できるだけの身体的、社会的な安定性をすでに発達させています。このような貴重な宝物は屋内で飼うこと、去勢か避妊を施すこと、そして本能的な爪研ぎ行動をするのに適した表面をもつ物(爪研ぎポストなど)を用意することが、健康で幸せに長生きする愛猫の生活を保つうえで必要不可欠な要素です(CFAは爪を抜いたり腱を切除する手術を認めていません)。

 CFA各クラブでは、シャルトリュー種の普及、保護、保存に献身的に取り組んでおります。


文:Mary Ann Sweeters
最終更新:2002年6月8日


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